愛しさと切なさとエスプレッソ

パンとマンションが好きな人のブログ

ニトリが最近すごい。

名古屋で暮らしていた叔母が東京に引っ越してきた。

叔母は一般的には高齢者と言われる年齢ではあるが、今でも日数を減らして仕事を続けている。

 

叔母はエステの勉強をして、ゆくゆくは自宅で施術をしたいようだ。月に何度か東京で開かれるエステのセミナーに参加するため名古屋と東京を行き来していたが、ホテル代や交通費もかかるため、とうとう東京に家を借りる事にした。

エステのセミナー。怪しいような気がしないでもない。だけどそれが叔母の楽しみや活力になるなら、もし怪しい何かだったとしても構わない。サークル活動みたいなものだと思うようにする。

 

叔母が東京に越して来る日、僕は引っ越しを手伝いにいった。名古屋の家はまだ残しているので荷物は少ない。当面の間必要な物だけだ。ただ少量ではあっても、祖父母と同居していた叔母が持って来る荷物は、当然ではあるが祖父母の家の匂いを放っていた。重たい色のタンス、鏡台、額に入った絵。見覚えのある物だった。祖父母はすでに亡くなっているけれど、それでも名古屋はまだ「祖父母の家」といった感じがする。

 

荷物を解いて落ち着いた後、別日に水切りかご、ふきん掛け、カトラリー入れ、突っ張り棒など 、細々とした物をニトリに買いにいった。新生活って本当に物要り。初めての一人暮らしを思い出し、見ているうちに僕もふきん掛けが欲しくなった。人の物がすぐに欲しくなる。

ところでニトリって最近すごくない?結構何でも揃うし安い。あれもこれも欲しくなるんだけど。

 

家に戻り、買ってきた物を整理した。細々としたものが揃った家は早速「叔母の家」といった佇まい。叔母の一人暮らしがスタートした感じがあった。夜は叔母が新居の近くでお寿司をご馳走してくれた。

お寿司はとても美味しかった。ビールも飲んだ。もうおじさんの年齢なのに、遠慮なくご馳走になった。

 

叔母はきっと、目的通り自宅でエステを始めると思う。僕の不安は多分当たらない。叔母にはそう思わせる強いバイタリティがある。

「私が勉強すると若い人が安心するみたいなの」と叔母はいつか言った。

なんだか走り出したい気分だった。春だからか、それともビールを飲んだからなのか。