愛しさと切なさとエスプレッソ

パンとマンションが好きな人のブログ

短文

今年は上半期を通院に捧げてしまった感じがある。これまで大きな病気や怪我をした事が無い僕にとってはそれなりに大きな出来事だった。僕はこれまで細く長く生きるような気がしていたけど、長く生きないかも知れないと思った時には、悲しさと寂しさと同じくらいに安堵する気持ちもあった。

僕はこれまで概ね幸せであった。周りの人は大抵の場合は親切で、心は穏やかな時が多かった。だからその概ね幸せな状態からフェードアウトしていくのは、タイミングとして悪くないのかなと思った。上手に年齢を重ねられない事、上手に仕事のキャリアを積めない事、将来への不安。これから更に大きくなっていくだろう僕の心配も大きくならずに済む。

僕は幸いな事に、僕がいなくなる事を悲しむ人を知っている。その人達が悲しむ様を苦しいほどに想像出来る。それだけが心苦しいから、残りの時間は僕がいかに満ち足りていたかをその人達に伝える事に充てようと思った。彼らに囲まれて賑々しく最期を迎えられたなら、それは幸せな事ではないだろうか。

診断が出た後は、僕はまた細く長く生きるような気がしている。再び将来への不安とも向き合わないといけない。いかに満ち足りていたかを周りに説明する必要は無くなったかも知れないが、感謝の気持ちはその都度伝えていこうと思っている。