愛しさと切なさとエスプレッソ

パンとマンションが好きな人のブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

肯定

友人の結婚式に行った。 以前は友人の結婚式に行くと、結婚と縁のない自分が悲しくなったり、出て行くばかりのお祝儀にモヤモヤしたりもしていたけれど、今はもう全くそんな気持ちは無い。普段食べられない料理が楽しみだったり、友人の晴れの日を見られるの…

隅田川

9月3日に退院した。 入院が長引き、いつになったら退院出来るのか不安になった時にようやく改善の兆しが見え始めた。食事も少しずつ摂れるようになり、粥から常食になったところで退院となった。予定より10日ほど遅れての退院だった。体重は入院前より4…

小松菜スムージー

ICUには1泊の予定だったが、病棟のベッドの関係もあり2泊する事に。その後車椅子に乗って一般病棟に移った。一般病棟では手術前にお世話になった看護師さんに「お帰りなさい、膀胱残って良かったですね」などと声をかけてもらって嬉しかった。 病棟では朝…

術後完全になめてました

手術の当日、父、母、姉が病院に来た。僕は家族に荷物を預け、手術に呼ばれるまで談話室で待った。手術は8時半を予定していた。姉は談話室で何でもない話をしている時にふいに泣き始めた。別に命に関わるような手術ではないから僕は驚いて「何かのアレルギ…

ダブルレアチーズケーキ

入院生活が始まった。入院してすぐは手術まで数日時間があり、点滴で動きが制限されるくらいでそれ以外は快適であった。院内は涼しく、お風呂も入れて、ベッドで待っていれば3食運ばれて来る。東横インよりも快適ではないだろうか。21時の消灯後は食堂か…

短文

今年は上半期を通院に捧げてしまった感じがある。これまで大きな病気や怪我をした事が無い僕にとってはそれなりに大きな出来事だった。僕はこれまで細く長く生きるような気がしていたけど、長く生きないかも知れないと思った時には、悲しさと寂しさと同じく…

検査結果が出る前日、正直少し眠れなかった。 「肉腫かも知れないから」 と4月に言われて「国立」とか「研究」とか堅苦しい名前の病院に紹介となった時はやや濃いめの絶望があったし、その可能性について考える事はこの先の生き方について考える事と同じだ…

友人の事を書くのは難しい

先日学生サークルの同窓会があった。そのサークルはLGBTの学生が集まるインカレサークル。僕が大学生の頃に参加していたものだ。 久しぶりに会う友人は恋人と同棲していたり、別れたり、結婚したり、遠くで暮らしていたり、そんな環境の変化はあっても基本的…

プリンター

先日、検査のために1泊で入院してきた。膀胱のわき、骨盤の裏に見つかった腫瘍がどういったものかを生検するためだ。 検査前は絶食してくださいと検査の案内に書いてあったので朝食を抜き、指定された10時半に病院に行った。初めての入院 だった。 病棟の…

googleの力を使って

4月1日、午前半休をもらい泌尿器科に受診した。 先生は僕のCTの画像を見て「血尿はありますか」と関西のイントネーションで聞いてきた。僕が「無いです」と答えると先生は「そうだよねぇ」と頷いた。 「いや、膀胱ガンかとも思ったんだけど。だけど血尿も…

なんだか通院記録みたいになってきた

病院からの帰り道は冷たい小雨が降っていた。傘を差すほどでもない雨。僕はフードを被って凌いだ。 自分の気持ちがすっかり落ちているのが分かった。きっと大丈夫と思いながらも、CT検査の結果が思わしく無かった時の事を考えると全ての事がどうでもよくなっ…

ブルー

皮膚科での生検を終え、処置後の感染予防として抗生物質が処方された。セファクロルが3日分。ブルーのカプセル。秋葉原の皮膚科で処方されていたトコフェロールも継続となった。 生検の翌日、僕の足に分厚く覆われたガーゼを剥がそうとしたら、テープの粘着…

皮膚科に行った話

「立ち仕事は控えた方がいいかも知れないよ」 と皮膚科のDrは言った。僕はズボンの裾をたくし上げ、痛くも痒くもないけれど斑に赤くなる足を晒したまま、Drにそれは難しい事を伝えた。今まで立ち仕事しかやった事がなく、更に今は派遣。派遣先のルールに従う…

しもきたざわ

久しぶりに下北沢駅に降りた。小田急線のホームから長いエスカレーターを乗り継いで地上を目指す。いつも使っていた出入り口は閉鎖されていて、案内板に大きく書かれた矢印に誘導されて歩くと新しい出口に行き着いた。小さくて暗くて綺麗ではなかった駅舎は…

凍結

年末年始に実家に帰省していた。 帰省の際、実家に柿の種を持って行った。おかき屋で売っていた柿の種。ぷくっとふくれた柿の種は軽い歯ざわりで後をひく美味しさ。四角いプラスチックのボトルに入った柿の種は恐らく正味500gくらい。これなら長く楽しめ…