愛しさと切なさとエスプレッソ

パンとマンションが好きな人のブログ

ピカピカなシンク

12月から姉と同居している。

 

姉の家がリフォームする事になり、リフォームが終わるまでの2ヶ月間同居するようになった。

姉は最低限の荷物を持って家に来た。布団、少量の着替え、キャンプ用の小さな折りたたみテーブル、洗面用具。そして飼っているチワワとドッグフード。

普段テレビを置いてある部屋からテレビを移動させ、姉の荷物と僕の折りたたみ椅子を置いたらコンパクトな生活空間が出来上がった。

 

僕は大学を卒業してからずっと一人暮らし。家に一人でいるのに慣れ過ぎて、彼氏がゴールデンウィークなどで長期の泊まりに来ると3日目くらいで息が詰まって帰って欲しくなるタイプだ。実家でかつて一緒に暮らしていた姉とはいえ、2ヶ月の同居はストレスになるかと思った。

 

仕事をしていると姉からLINEが来た。

「夕飯は鮭のホイル焼きと豚汁でーす」

帰って食事の準備がされていると本当に嬉しい。いつもなら仕事の後は疲れながらコーヒーを飲み「帰ったら何作ろう…」と悩んで帰宅するのに、ホイル焼き食べたさに真っ直ぐ家に帰るようになった。まるで昭和の妻帯者になった気分だ。豚丼皿うどんか野菜と肉を割下で煮る何か、その3つが高確率で登場する普段の食生活に姉が来た事で新しいパターンが生まれた。先日は家で眠っていたタジン鍋で蒸し野菜を作ってくれた。多分僕は姉に胃袋を掴まれている。

帰って食事を一緒に食べ、風呂を済ませて洗濯機を回す。そしてお茶を入れてお菓子を食べ、洗濯物を干して歯磨きをして寝る。

姉は持ってきた服が少量のこともあるのか、毎日洗濯機を回す。乾燥機能も付いているのに浴室に干してサーキュレーターを回す。すると翌朝には大体乾いている。洗濯物を溜めずに毎日洗う方が干す量も少なくてラクなのだそう。

姉は夜お皿を洗った後に排水溝に取り付けたネットを交換し、そのままシンクと排水カゴも洗い、蛇口も拭く。僕が面倒じゃないかと聞いたら、大した手間じゃないし習慣だから気にならないとの事。

多分姉は僕の家に居候しているからと、気を遣ってくれているのだろう。姉の気遣いにより同居は極めて快適である。

 

僕より少し早く仕事納めをした姉は、一足先に実家に帰っていった。

僕は姉のいなくなった家で洗濯機を回し、乾燥機能は使わずに浴室に洗濯物を干した。そして排水ネットを毎日交換し、シンクと排水カゴも毎日洗っている。姉の習慣を少し引き継いで、僕はほんのり姉ロスである。来月の姉の誕生日にはタジン鍋を買ってあげようと思う。