残業と同じくらい嫌い
鼠蹊ヘルニアの手術をしてきた。
年始に仕事をしていると足の付け根がヒリヒリと痛んだが、去年の傷跡が痛んでいるのかと思い少し放置してしまった。
ヒリヒリ感はなかなか治らず不安になり「足の付け根 腫れ ヒリヒリ」などと検索したらすぐに鼠蹊ヘルニアが出てきた。手術しないと治らないらしく、また手術は日帰りで出来るとのことだった。
評判の良いクリニックを受診し、ビニール手袋をした先生が診察をする。先生は僕の鼠蹊部に触れるとすぐ
「鼠蹊ヘルニアだね。両側。手術はいつにします?」
と言った。あっという間の診断だった。
手術の日程を決め、先日手術をしてきた。先生が言うには
「手術は2、3時間で終わるし、その日の内に帰れるし、次の日から出勤する人もいるよ」
との事だった。
手術に呼ばれたのは13時過ぎ。終わるのは16時くらいかなと思った。手術室のベッドに横になりマスクを当てられるとすぐに意識を失った。
全身麻酔から目を覚ます。意識が戻ると先生がめっちゃ喋っているのが聞こえた。
「あ、終わりましたよー、深呼吸してください」
僕が呼吸すると人工呼吸の管が外された。
「終わりましたよ、ちょっと大変でした。今19時半です。当院始まって以来最長です」
僕は全身麻酔から目覚めたばかりで朦朧としていたが驚き、そしてなんだかすみませんといった気持ちだった。スタッフの皆さまに残業させてしまったのだろうか。
普段僕は1分も残業するものかと定時ですぐ帰る。僕は残業と小島瑠璃子が嫌いなのだ。
「腸の癒着があってね。それを剥がすのが大変でした。でも無事に終わりましたからね」
ベッドを移り水分を取って休憩する。大分消耗して意識もぼんやりしていた。まあまあ痛いしこれから帰らないといけないなんて嘘でしょと思った。だけど僕が帰らないとスタッフの残業が増えるばかり。日帰りの手術って辛いなと思った。